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2013年12月12日 訪問看護
手のリハビリをするための道具を作ってみました

脳梗塞の運動麻痺により、手に麻痺が起こった時、単純な指の曲げ伸ばし練習だけでは、

実際に使える手に回復していくのはなかなか難しいものがあります。

そこでは特に、「母指(ぼし)」と、専門職が呼ぶ指である”親指”の運動機能の回復が

重要となってきます。

 

 

 

人間がモノをつかんだり、つまんだり、操作したりできるのは、何よりもこの親指の

特殊な運動があるからです。

通常、指の運動は、”曲げる”、”伸ばす”、”横に広げる” という運動を行いますが、

親指にはもう一つ、”他の指と向かい合わせにする”という運動ができます。

 

試しにやってみると、すぐわかると思いますが、親指を除く他の指どうしは、

向かい合わせることができません。

しかし、親指は他のどの四本指とも、向かい合わせにすることができます。

この運動ができるからこそ、人は、つかむ、つまむという動作を力強く行うことができるのです。

 

 

こちらの絵を見てもらうと、人の親指がチンパンジーなどと比べて、特異であることがわかると思います。

(他の4本の指は、そう変わりありませんよね)

 

 

 

さて、運動麻痺が起きると、この親指を”曲げる”、”伸ばす”、”広げる” はもちろん、

”向かい合わせにする” ということが困難となり、モノをつかんだり、つまんだりという動作が

難しくなってしまいます。

そのため、療法士が親指の部分を介助して、実際にモノをつかむ練習をするということがあります。

しかし、療法士がいないと、そういたった動作の練習ができません。

そこで、装具(そうぐ)といった、リハビリ用のサポーターを装着して、一人でも練習できるようにすることが

あります。このような感じです。

 

 

しかし、専用の材料が必要であったりと、なかなか訪問リハビリでは、作ることが難しい現状があります。

そこで、100円ショップで買った材料でも、実際に使えるレベルのモノを作ることができたので、

それを紹介させて頂きます。

 

 

買ったものは以下のもの。

・ゴムベルト(できるだけ幅広のもの)

・ハイヒールなどの靴が足に強く当たる部分にくっつけるカバー

・マジックテープ

・フエルト

他に準備するものは、針と糸。

 

 

さて、これらを使ってまず次のようなものを作ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴムバンドの長さは、完成形にした状態でやや余裕のある程度のものにしますので、

一度完成形をイメージしてから作った方がいいと思います。

 

部分的に見てみると、こんな感じです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう一方はこんな様子。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、マジックテープをつける側などに気をつけて完成させました。

そして、これをこのように、親指を中心にして巻いていきます。

その1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

その2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その3

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実際に使ってみるとこのような感じです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

運動を含めて、新しいことを学習するためには、まずはアウトプット、アウトプット、アウトプット。

つまり、実際にその動作を繰り返し行うことが重要です!

装具を使用することは、それを実現させるための方法のひとつですね。

 

 

 

 

 


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