2013年10月23日 |
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日本脳卒中学会が、脳卒中治療ガイドラインというものを作成しています。
その中に『VII. リハビリテーション』という項目があります。 各項目に関して、推奨されるリハビリ内容と、その根拠となった論文の紹介などが掲載されています。
例えば、”歩行訓練”に関しては、 「 起立─着席訓練や歩行訓練などの下肢訓練の量を多くすることは、 歩行能力の改善のために強く勧められる(グレードA)」などが挙げられており、 「通常の理学療法、作業療法に加えて歩行訓練などの下肢訓練を30分行うと、 上肢訓練を30分加えた群や追加の訓練を行わなかった群に比べて20週時点で歩行能力がより改善した」 などが書かれています。
そして、”維持期リハビリテーション”の項目を見てみると、 「回復期リハビリテーション終了後の慢性期脳卒中患者に対して、筋力、体力、歩行能力などを 維持・向上させることが勧められる(グレードA)。 そのために、訪問リハビリテーションや外来リハビリテーション、地域リハビリテーションについての適応を 考慮する(グレードB)」とあり、
「訪問リハビリテーションにより、歩行能力の向上、活動性の増加、転倒リスクの減少が認められる。 また、週 2 回の訪問リハビリテーションは、週 2 回の外来リハビリテーションより効果的とする 報告もあるが、両者の優劣については報告に差がある。しかし、地域生活をベースにしたリハビリテーションの 介入は、障害の悪化を軽減し、日常生活動作、日常生活関連動作能力の向上を促すことが期待できる」 とあります。
ここで書かれている、グレードAやグレードBというのは、”A”が「強く勧められる」、”B”が「勧められる」、”C”が「勧められるだけの明確な根拠がない」、”D”が「行わないよう勧められる」という意味となっています。 |