2014年01月27日 |
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「足が手に届かななくて、靴下がなかなか履けない。どうにかならない?」
このような訴えが訪問看護やリハビリに行っている時にあったとします。 実際に動作を見てみると、確かに、手が足先に届きにくそうだけど、 なんとか届いているような様子。
ここで、足を組む、足台のようなものを置いて高さを補ってみる、など 動作を変えて行ってもらうも、あまり動作は変わらず、やりにくそうなまま。
そこで、ソックスエイドという福祉用具を使用してみることにします。 このような福祉用具で、人工股関節の手術を受けた方などを中心に よく使うことがありました。 これを使用すれば、もう手が足に届かないということは起きないはずです。
しかし、実際に試してみると、意外なことに気が付きます。 靴下をしっかりとつまんで、この福祉用具に通すことができない!という 前段階からして上手くいけません。
そして気がつきます。 この方は、「足が手に届かななくて、靴下がなかなか履けない」と、確かに言っていたけど、 本当の問題は、靴下をしっかりとつまんで、足先に通すことがきないということだったのです。
特に手に運動麻痺があるというわけではなかったので、見逃していたのですが、 確かに靴下のような薄っぺらなモノは、つまめてはいるものの、力強くつまめないため、 足先を靴下に通すことがきないのです。
この方は、自分がやっている時に感じたことを、そのまま言葉として、 私たちに伝えてくれました。しかし、本当の問題は、ある動作を見てみて、 初めてわかることになりました。
私たちは、利用者の言葉を素直に聞く必要があります。 しかし、それだけでは、必要条件に過ぎず、利用者の抱えている問題を 解決するためには、動作(行動)もしっかりと見る必要があるのでしょう。
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